卒業生からのメッセージ Messages from Graduates

島根大学医学部を巣立ち、各地で医療の最前線を支える卒業生の皆様。本ページでは、卒業生の方々から寄せられたメッセージをご紹介いたします。
医師として歩んできた道のり、学生時代の思い出、そして未来の後輩たちへの期待と励まし。
50年の節目を迎える今、卒業生の声から島根大学医学部の歩みと精神をあらためて感じていただければ幸いです。

※メッセージは卒業年度順


祝 創立50周年 メッセージ

板倉いたくら 正幸まさゆき(医学科3期生)

 島根医科大学第3期卒業生として、創立50周年のお祝いを申し上げます。

 本年3月末にて島根大学医学部附属病院を定年退職いたしましたが、本学を卒業後医師となってからの約41年間のうちのほとんどを当院で過ごさせて頂いたことに感謝を申し上げます。

 大学院修了後にはポスドクとしてアメリカ留学(UCLA)の機会に恵まれ、医学者、研究者としての本質に触れ、自分の進むべき道に信念を持つことができました。

 その後本学に帰学しましてからは臨床中心の生活を送りましたが、2006年4月には乳腺内分泌外科診療科長を拝命し乳癌の診療を中心とした診療に従事しました。2023年4月に附属病院に乳腺センターを開設し、センター長を拝命しました。山陰で初めての乳腺センターとして多くの部門の支援と協力を得ながら活動をすることができ、母校並びに地域医療の発展に微力ながら貢献することができたものと感謝しております。

 50周年は最初の一歩です。これからは後輩の皆さんのさらなる活躍により、島根大学医学部および医学部附属病院がますます発展しますことを祈念いたします。


祝 島根大学医学部創立50周年:8期生より

島根大学医学部医学科長/放射線医学講座(放射線医学)教授

かじ やすし(医学科8期生)

 島根大学医学部創立50周年、誠におめでとうございます。1989年に島根医科大学医学部を卒業いたしました8期生の楫靖です。

 学生時代にある先生からいただいた「医学生としてしっかりしたバックボーンを持ちなさい」というお言葉が、今も深く心に残っております。知識や技術のみならず、医師としての使命感や人間性などの礎の大切さをご指導いただいたと、深く感謝しております。また、切磋琢磨した同級生や先輩、後輩との出会いも、私を大きく成長させてくれました。かけがえのない財産です。

 卒業後、県外での勤務を経て2022年に母校へ戻りました。キャンパスは大きく発展しましたが、講義室の雰囲気や学生の素直な気質など、変わらない母校の姿に懐かしさを感じております。

 母校がこれからの50年も、地域、日本、そして世界に貢献する質の高い医療人を輩出し、世界に重要な医学情報を発信する拠点であり続けることを心よりお祈り申し上げます。


次世代の学生たちとともに

島根大学医学部皮膚科学講座 教授

山﨑やまさき おさむ (医学科12期生)

 12期卒業の先生方におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。11期入学12期卒業、野球部とウインドサーフィン部の山﨑修です。少しアンプロフェッショナルな学生だったかもしれません。2022年2月より島根大学医学部皮膚科学講座教授を拝命し、現在副病院長(改革担当)を担当させていただいています。母校の発展と島根県の患者さんのために診療・研究・教育に全力で取り組んでおります。またフットサル部(60人)と野球部(37人)の顧問をしており、週末の練習にも参加しています。

 現職に就くまでは、学生時代を振り返る機会はあまりありませんでした。しかし、今では毎日通勤し、学生と接する中で、改めてその頃を思い出すことがあります。新設の医大であり、校舎や附属病院が比較的新しく、陸上競技場、テニスコート、体育館、野球場などの設備にも恵まれ、非常に良い環境で大学生活を送っていたのだと実感しています。

 あれから30数年が経ち、医学部は創立50周年を迎えました。教育・研究設備や学習環境のさらなる整備に向けた寄付の募集はもちろん、次の50年を見据えた発展のための取り組みが求められています。ChatGPTに尋ねると、「地域医療を支える人材の育成」「高度な医療教育と研究の両立」「地域との連携・共創」「持続可能な大学経営と人材確保」「デジタル技術・遠隔医療の活用」といった優等生の答えが返ってきます。しかしAIには測れないものも学生たちに伝えていきたいと思います。人として何を大切にするべきか。医療者としての在り方や、地域に根ざす姿勢、そして共に学び支え合う喜び――そういったものこそが、次世代を担う学生たちにとって、本当に必要な学びではないかと感じています。


母校から頂いた「ご縁」に感謝

虎の門病院 泌尿器科 部長

浦上うらかみ 慎司しんじ (医学科13期生)

 光陰矢の如し、島根大学医学部が50周年を迎えられましたこと、心からお慶び申し上げますとともに、これまで母校の発展にご尽力頂いた全ての方々に感謝申し上げます。

 我々、医学科13期生は、1988年に母校の門をくぐりました。バックグラウンドの異なる多様な仲間が、広い出雲キャンパスに集い、苦楽を共に部活動や勉学に励んだ思い出は尽きません。同じ志を抱いた仲間と命の大切さを学んだ6年間は我々の医師の原点となっています。

 私自身は岡山県出身で、1994年に大学卒業後、母校泌尿器科に入局と同時に、大学院へ進学しました。米国留学(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)、母校講師、がん研有明病院医長を経て、現在虎の門病院に勤務しております。この間、母校に勤務していた妻と知り合い、4人の子宝にも恵まれました。出雲に居を構え、月に1回帰宅する単身赴任です。医師として充実した生活が送れるのは出雲の地にある母校から頂いた「ご縁」のお陰です。

 最後に島根大学医学部が半世紀に渡り地域医療や医療人育成に多大な貢献をしてきたことを誇りに思います。今後、高齢化、人口減少と地方をとりまく環境は一層厳しくなると予想され、大学への期待は大きくなると思われます。卒業生として母校から頂いた「ご縁」への「お礼参り」として微力ながら未来を担う後輩の成長を応援したいと思っています。次の100周年に向けて益々のご発展をお祈りいたします。


母校への想い

島根大学医学部附属病院 高度外傷センター 講師

下条しもじょう 芳秀よしひで (医学科22期生)

 創立50周年おめでとうございます。

 私は現在、高度外傷センターに所属しAcute Care Surgeon (急性期・外傷外科医)として、ドクターカーを用いた病院前救急診療、重症外傷診療、救急外科手術、外科的集中治療、Rapid Response System業務に携わっています。救急領域は救急部門だけでは完結できないため、院内外問わず多くの先輩、後輩の力をお借りしつつ楽しく診療させて頂いています。 

 また、大学教員として日々成長する学生医と一緒に勉強しています。学生係という立場上、学生医から進路相談をよく受けますが、その中で私から彼らへ必ず伝えることが一つあります。それは多くの島根大学卒業生がもつ、医療に対する「当事者意識」です。これを礎に島根の医療が守られていること、ハイレベルな医療が展開されていることをアピールしています。私自身もこのような有難い環境に支えられ、ここまで医師として育ててもらいましたので母校には感謝しかありません。

 創立100周年を迎える時、人は変わってもこの「当事者意識」だけは変わらぬものと信じて、今後も後輩たちの育成に関わっていきたいと思います。


「出雲だから、島根だから学べる強み」
を大切に

看護学科同窓会さくら会会長/島根大学医学部附属病院 副看護師長

荒木あらき もも (看護学科1期生)

 このたび、母校が創立50周年という大きな節目を迎えられましたこと、心よりお祝い申し上げます。看護学科の卒業生を代表し、寄稿の機会をいただけましたことを、大変光栄に思います。

 本学科は、看護職としての知識や技術だけでなく、人のつながりの大切さを深く学べる場でした。仲間や教職員との関わり、患者さんとの出会いを通して、他者を思いやる心や命の尊さを学び、人間として成長できたことは、私の人生の礎となっています。

 同窓会としましては、こうした学びの価値を次世代につなげていくべく、後輩たちの成長を支える活動に今後も力を注いでまいります。創立50年の歩みに感謝しつつ、「出雲だから、島根だから学べる強み」を大切に100年へと続く未来に向けて、私たち同窓生も共に歩んでまいります。

 改めまして、創立50周年、誠におめでとうございます。母校のさらなるご発展を心より祈念申し上げます。


出雲での学びと出会いに支えられて

東京大学医学部附属病院 小児科

浅見あさみ 優介ゆうすけ (医学科39期生)

 卒業して5年が経ち、現在は小児科医として東京大学医学部附属病院の小児集中治療室に勤務しています。日々、こどもたちと真剣に向き合う中で、学生時代に得た経験の大きさを改めて感じています。

 在学中は、仲間とオリジナルバンドを組み、音楽に没頭しました。くえびこ祭での演奏は今でも鮮明に思い出されます。大学生活や音楽活動を通じて、全国各地から集まった仲間と出会い、異なる価値観に触れた経験は、今の診療の強い支えとなっています。

 また、出雲の自然に魅せられて始めた魚釣りは、忙しい日々の中での大切な趣味となりました。公私ともに素敵なご縁に恵まれたこの地に、いつか恩返しができるよう、今後も精進してまいります。

 島根大学医学部のさらなる発展をお祈り申し上げます。

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